杖を持った人と手をつないでいる写真

70代の祖母が先月、自宅で足を骨折してしまいました。朝、寝室のある2階から1階に下りようとした際、階段を踏み外してしまい骨が折れたようです。祖母は年齢の割に足腰もしっかりした人だったのですが、寝起きで少しボーッとしていたのかもしれません。

転倒後の祖母が尋常ではない痛がり方をしていたのと、転倒したときの音の大きさがすごかったので、これはまずいとすぐに救急車を呼びました。搬送された大学病院で診察して頂いた結果、大腿骨を骨折していることが判明し、そのまま入院となりました。祖母は、今回が人生初の骨折でした。

医師からは、「高齢者が大腿骨を骨折した場合はなるべく早く手術、そしてリハビリをして歩ける状態を取り戻すことが大切」であると言われました。医師の話では、大腿骨を骨折したことをきっかけに、寝たきりになってしまう高齢者の方もいらっしゃるとのことでした。また、骨折した箇所が治っても、筋力の低下や長引く治療期間中の生活が原因で、寝たきりにまではならなくても、自立した生活ができなくなるケースもあるそうです。そのため、急いで手続きをして、入院してから数日後には手術をしました。

今まであまり大きな病気や怪我をしたことがなかった祖母にとって、手術や入院生活は不安だったようですが、看護師さんが優しく丁寧に接してくださったようで大変有り難かったと言っていました。私たち家族も、祖母が寂しくなったり不安になったりしないように、なるべく面会に行くようにしました。

手術が無事に終わり落ち着いた頃、病院内でリハビリ担当の先生に指導して頂きながら、リハビリを開始しました。祖母は日常的に運動する習慣があった人なのですが、高齢の祖母にとってリハビリは決して楽なものではなかったようです。特に最初はかなり辛かったようで、リハビリ担当の先生に叱咤激励されながらなんとかリハビリメニューをこなしている感じでした。

しかし、リハビリを続けていく過程で自分でも体力の回復を感じられたようです。その後は早くまた自分で歩けるようになって旅行に行きたいという目標のもと、積極的にリハビリに取り組むようになりました。祖母いわく、目標があるとより一層リハビリを頑張れるそうです。確かに、目標を掲げた後の祖母は弱音も吐かず、ひたすらリハビリを頑張っていた印象があります。

リハビリが進むにつれて、メニューも徐々に負荷が大きいものに変わっていきましたが、祖母は前向きに取り組んでいました。そんな祖母を、私たち家族も全力で応援しました。最初はなかなか前向きになれない祖母だったので、リハビリ担当の先生はかなり大変だったと思います。しかし、諦めずに適切かつ丁寧に指導して頂いて本当に感謝です。

もともと祖母は前向きで明るい性格だったのですが、骨折した後はさすがに落ち込んでいました。自分が寝たきり生活になってしまうのではないかという不安もあったようです。また、人生で初めての骨折ということも不安になってしまう原因のひとつになっていたようです。しかし、リハビリ担当の先生による励ましや適切な指導もあって、徐々に持ち前の明るさを取り戻してくれたのが、家族としてもとても嬉しかったです。

祖母は現在、退院して多くの時間を自宅で過ごしています。週に何回かは通院してのリハビリを継続しています。入院中の祖母は少し寂しそうに感じたのですが、退院して家族と過ごせる時間が多くなってから、精神的にも少し落ち着きと元気を取り戻したような気がします。入院中はなかなか会えなかった友人と会えるのも嬉しいみたいです。

家族としても、自宅に祖母がいる当たり前の日常が戻ってきた感じがして喜びを感じています。祖母は自宅でも、入院中にリハビリ担当の先生に教えてもらったリハビリメニューを行っています。ずっと1人で頑張るのも大変だと思うので、ときには同居している家族の誰かが一緒にリハビリメニューをやることもあります。リハビリは大変だと思うのですが、なるべく楽しくやってもらえたらと思っていて、そのような環境作りを家族みんなで考えることもあります。

骨折する前の祖母は毎日の散歩が日課で、旅行に出かけるのが大好きな人でした。いきなり以前のように遠方へ旅行するのは難しいと思いますが、まずは日常生活が普通にできるくらいまで回復してもらいたいと思っています。

リハビリを始めた頃と比べたら、最近はだいぶ動けるようになったのが傍目に見てもわかります。しかし、だいぶ動けるようになった今でも本人の中では、焦る気持ちや不安な気持ちがまだまだあるようです。家族としては、祖母が回復を焦るあまり、リハビリを頑張りすぎて怪我をしてしまわないか少し心配なときもあります。

今後も祖母が安心してリハビリに取り組めるように、周囲の人間で応援、サポートしていきたいと考えています。そして、リハビリを頑張って以前と同じくらいまで体力が回復した暁には、また皆で一緒に祖母が大好きな京都へ旅行に行きたいと思います。