膝を施術している様子

私にはお茶飲みをする友達で仲の良い知り合いがいます。もう十年来のお友達です。彼女は50代の主婦で、年に何回かは一緒に旅行へ行くこともあるくらい仲良くさせてもらっています。

そんな彼女がある時、歩くのもつらそうにしていることがありました。聞いてみると、少し前から足の指に違和感はあったのですが、あまり気にせず過ごしていたそうです。しかし、その違和感は無くなるどころか、徐々に大きくなっていき、さらに膝がひどく痛むようになっていったそうです。症状が出ているのは足だけではなく、肘の痛みや手指の腫れなどもあるとのことでした。

彼女は週に3回パートで立ち仕事をしていることもあり、最初は疲れからくる痛みや腫れだと考えたそうです。そのため、病院にも行っていませんでした。しかし、目の前の彼女はかなり痛そうで歩くのも大変そうだったので、私は「一度、病院で診察を受けてみたら」と、彼女に病院へ行くことを勧めました。

数日後、彼女は最寄りの大学病院に行きました。診察を受けたところ、関節リウマチの可能性があるとのことで詳しい検査を受けることになりました。問診と関節の触診をしてから採血、レントゲン撮影を行ったそうです。

検査の結果、出された診断は「関節リウマチ」でした。医師の説明によると、関節が炎症を起こしている状態だったそうです。そのまま放置すると関節が変形してしまうこともあるため、治療の必要があるとのことでした。

関節リウマチで入院治療する場合もあるそうですが、彼女の場合は入院せず、薬を処方していただいて自宅療養になりました。症状が重篤だと手術して人工関節にする治療法もあるそうですが、彼女の場合はまだそこまでひどい症状ではなかったようです。

彼女には会社勤めの旦那さんと高校生の娘さんが2人います。自分が入院した場合、家事をどうするのかを心配していましたが、入院する必要はないとのことで、ホッとしていました。

但し、パートの立ち仕事を続けるのは厳しいと判断し、辞めることにしました。結果的には、パートを辞めて空き時間ができたことによって、よりリハビリに専念できる環境が作れたようです。

後で聞いた話ですが、関節リウマチは早期発見と早期治療が大切な病気だそうです。知り合いの彼女は「もっと早く病院に行って診察を受ければ良かったなぁ」といっていました。自宅療養とはいえ、家でじっとしているわけではないそうです。痛いからといって、じっとしていると症状が悪化することはあっても、改善する可能性は低いとのことでした。そのため、関節リウマチのリハビリをしていくことになりました。

関節リウマチと診断されてから現在もデイサービスに通って、リハビリを行っています。デイサービスの施設には器具が揃っていて、効率的にリハビリを行えるそうです。施設内でのリハビリは担当医がついてくれるので、わからないことがあったら質問できるし、リハビリ中は常に付き添ってくれるので安心だともいっていました。デイサービスがない日も何もしないわけではなく、時間があって天気が良い日にはリハビリを兼ねて長時間歩くこともあるそうです。

現在の彼女は、自宅でも特に問題なく自立した生活を過ごせているようです。台所にも立つし、掃除も普通に行っているとのことでした。あまり重いものは持たないようにしているようですが、日常的な買い物には普通に行けているそうです。

日々の生活を送っていくなかで、毎日、薬を飲むことだけは忘れないように注意しているそうです。自宅では椅子に座った状態で、両足を交互に持ち上げる運動や膝の曲げ伸ばしなどの運動をリハビリとして行っているとのことでした。それ以外に手指の開閉や指と指を寄せたり離したりといった反復運動もリハビリとして効果があるそうです。

関節リウマチと診断されて以降、彼女は投薬治療と積極的なリハビリを続けてきました。その結果、私から見ても関節リウマチの症状は徐々に和らいでいったように感じます。先日、彼女の手指を見せてもらいましたが、治療開始前と比べて腫れがだいぶひいていました。歩くのも明らかに治療前より楽そうです。

彼女は今でも関節リウマチの治療中ですが、以前のようにまた一緒に旅行にも行けるようになりました。先日は一緒に、山へハイキングにも行ってきました。症状が良くなったとはいえ、山道はどうだろうとちょっと心配だったのは事実です。しかし、特に問題なく楽しそうに歩いていたので安心しました。

このように関節リウマチの症状がだいぶ良くなってきたので、最近になってまたアルバイトやパートを始めることも検討しているようです。医師にも「長時間の立ち仕事でなければ大丈夫でしょう」とお墨付きをもらったようで、本人は張り切っています。本人の意気込みが強くて、無理をしてしまわないかちょっと心配になってしまうくらいです。

関節の痛みで辛そうにしていた頃を知っているので、最近の彼女の回復ぶりには驚くやら嬉しいやらといった気持ちです。無理はしてほしくないですが、彼女なりのペースで今後もリハビリと前向きに向き合ってもらいたいと思っています。