調査結果概要  障害者基本計画の「W推進体制等」において、「障害者関係団体との意見交換やニーズ調査の 実施等を通じて施策・事業の有効性についての検証を行い、」とされていることを踏まえ、障害のある人が社会活動をしていく上で 障壁(バリア)になっている事項を抽出し、その解消に向けた課題を明確化するため、障害者施策総合調査を実施した。 具体的には、障害種別横断的な団体である「日本障害フォーラム」(JDF)の事務局である(財)日本障害者リハビリテーション協会が、 障害者団体や学識経験者からなる調査委員会を設置し、JDFを構成している障害者団体に対象者の選定を依頼して、障害のある人に アンケート調査を実施する形で行った。  アンケートは、平成17年11月1日から12月16日(最終締切)まで、4,651名を対象に、郵送等により実施され、47%にあたる2,191人から 回答があった。本年度は、障害者基本計画に掲げられた個別施策分野のうち、「生活環境」と「情報・コミュニケーション」について 調査を行った。  なお、本調査は、現状では、全国的な障害者の状況、分布について必ずしも明確なデータがない中で調査対象を選び調査を 実施しなければならなかったため、今回の調査結果が直ちに全国的傾向を示すとは言い難いが、できる限り多様なあらゆる障害の ある人が対象となるよう留意して調査を実施した点においては、これまでに例のない貴重な調査であり、今後の考察に当たって 一定の参考となるものと考える。 結果の概要  今回の調査では全都道府県からの回答があり、障害種別の構成比は、肢体不自由23.7%、内部障害16.4%、精神障害13.6%、 視覚障害10.9%、聴覚障害9.2%、知的障害8.6%、難病4.6%、発達障害2.2%だった。 図表1は、交通機関、公共施設等の「生活環境」と、「情報・コミュニケーション(支援サービスを含む)」について、 利用したか(ほとんどの項目では過去1年間に)、利用して困ったことがあるか、利用しなかった理由は必要なかったからか環境条件など によるのか、などの回答結果をもとに25の分野を一覧したものである。  一番左は環境などが原因で利用できなかった人、その次が利用はしたが困ったことがあった人で、この2者の合計がバリアを感じている 人の割合となる。図に見るように、「歩道」の割合が最も高く(56.4%)、「駅、鉄道」(45.9%)、 「スーパー、コンビニ、デパート」(45.3%)、「レストラン、食堂」(40.8%)、「病院、診療所」(40.8%)などが4割以上で 続いている。これらの場所は誰もが利用する場所であるだけに、障害のある人がバリアを感じる機会も多かったようである。  ただし、バリアを感じる人の割合が少なければよいかというとそうでもない。例えば、空港・飛行機の例のように、過去1年間に 空港・飛行機を利用する必要がなかったという人が多かった項目では、バリアを感じる人の割合が全体の中では2割以下と少ないものの、 図の左から3番目の「利用して困ったことがない」人の割合と比べるとほぼ同じで、空港・飛行機の利用が必要だった人の約半数は バリアを経験している。この観点から見ると、住宅探し、インターネット、手話通訳等、駅・鉄道では、利用する必要があった人の 6割以上が困難を経験している。 次に、図表2は、「次の分野はこの10年間で利用しやすくなりましたか」という問いにより、バリアの改善状況を聞いた結果である。 いずれの分野でも「利用しやすくなった」及び「やや利用しやすくなった」が多数を占め、全体としてバリアフリー化が進んだことが うかがわれる。特に交通機関(61.7%)、公共施設(公的機関や商店・銀行など)(58.4%)、電話・携帯電話(58.5%)などでは 6割前後が利用しやすくなったと答え、比較的高い評価となっている。一方、「住宅」(23.7%)、「コミュニケーション支援体制」 (26.8%)、「インターネット」(41.1%)、「マスメディア」(45.2%)、「生活用品」(45.3%)などでは肯定的な評価は 5割未満で、「住宅」(23.7%)、「コミュニケーション支援体制」(26.8%)は相対的に低い評価だった。 図表1施設、サービスの利用の有無と困ったことの有無 以下、各質問項目ごとの概要を示す。 T 生活環境 ア 交通 [駅、鉄道] 駅、鉄道を過去1年間で利用したことがある人は74.8%(2,191人中1,640人。以下、「1,640/2,191人」と表す)、利用したことがない 人は21.0%(460/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は55.2%(906/1,640人)、ない人は38.7%(634/1,640人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「ホームに行くとき」(35.1%)、「切符を買うとき」(34.3%)、 「乗り降りするとき」(33.3%)、「駅や車内の案内表示、アナウンス放送」(32.8%)であった。 利用しなかった理由は、「必要がなかった」が64.1%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が6.5%、 「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が4.3%、「その他」が10.9%であった。 [バス、バス乗り場] バス、バス乗り場を過去1年間で利用したことがある人は67.0%(1,468/2,191人)、ない人は28.2%(617/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は47.7%(700/1,468人)、ない人は42.5%(624/1,468人)であった。困った場面として多く 挙げられたのが、「乗り降りするとき」(40.4%)、「バス乗り場を探すとき、バス乗り場に行くまでのあいだ」(36.7%)、 「乗り場や車内の案内表示、アナウンス放送」(35.7%)、「乗務員の応対、乗務員とのコミュニケーション」(32.3%)であった。 利用しなかった理由は、「必要がなかった」が65.0%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が11.2%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.9%、「その他」が11.2%であった。 図表2バリアフリー化に関するこの10年間の変化 [タクシー] タクシーを過去1年間で利用したことがある人は64.8%(1,419/2,191人)、ない人は30.5%(668/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は34.4%(488/1,419人)、ない人は56.8%(806/1,419人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「乗務員の応対や乗務員とのコミュニケーション」(48.0%)、 「タクシーをひろうとき、予約するとき」(43.0%)、「乗り場を探すとき、乗り場に行くまでのあいだ」(28.7%)、 「タクシーに乗り降りするとき」(24.8%)であった。利用しなかった理由は、「必要がなかった」が78.9%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が2.8%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.6%、 「その他」が10.6%であった。 [空港、飛行機] 空港、飛行機を過去1年間で利用したことがことがある人は35.9%(786/2,191人)、ない人は62.0%(1,358/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は43.5%(342/786人)、ない人は50.1%(394/786人)であった。困った場面として多く挙げられたのが、 「飛行機に乗る手続きをするとき」(42.2%)、「空港職員や乗務員の応対、空港職員や乗務員とのコミュニケーション」(32.5%)、 「空港や機内の案内表示、アナウンス放送」(32.5%)、「空港や機内の設備」(29.8%)であった。 利用しなかった理由は、「必要がなかった」が85.3%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.0%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が0.8%、「その他」が3.2%であった。 [歩道] 過去1年間に歩道を歩いていて困ったことがある人は55.3%(1,212/2,191人)、ない人は39.0%(855/2,191人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「歩道の障害物(放置自転車、電柱、車など)」(68.0%)、「歩道の段差」(60.9%)、 「歩道の幅」(45.0%)、「歩道や道路が工事中のとき」(44.3%)であった。 [車] 過去1年間に車で移動していて困ったことがある人(自分で運転しない場合も含む)は39.3%(862/2,191人)、 ない人は49.7%(1,087/2,191人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「駐停車する場所を探すとき」(57.4%)、「駐車場に車を停めるとき」(42.3%)、 「駐車場から付属の施設・建物に移動するとき」(32.5%)、「有料道路の料金所で支払うとき」(16.1%)であった。 イ 公共施設 [スーパー、コンビニ、デパート] スーパー、コンビニ、デパートを過去1年間で利用したことがある人は95.0%(2,081/2,191人)、ない人は3.7%(81/2,191人)で あった。 利用して困ったことがある人は47.1%(980/2,081人)、ない人は47.1%(980/2,081人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「商品と探すとき」(48.4%)、「店内を移動するとき」 (37.6%)、「トイレを利用するとき」(37.3%)、「店員の応対、店員とのコミュニケーション」(30.4%)であった。  利用しなかった理由は、「必要がなかった」が60.5%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が6.2%、 「その他」が8.6%であった。 [レストラン、食堂] レストラン、食堂を過去1年間で利用したことがある人は92.8%(2,032/2,191人)、ない人は4.8%(106/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は43.2%(877/2,032人)、ない人は48.3%(982/2,032人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「トイレを利用するとき」(44.9%)、「利用しやすいレストラン、食堂を探すとき」(44.5%)、 「店の施設や設備」(34.3%)、「注文をするとき」(33.1%)であった。 利用しなかった理由は、「必要がなかった」が66.0%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.8%、 「その他」が13.2%であった。 [旅館、ホテル] 旅館、ホテルを過去1年間で利用したことがある人は73.8%(1,617/2,191人)、ない人は22.7%(497/2,191人)であった。  利用して困ったことがある人は46.3%(748/1,617人)、ない人は44.0%(712/1,617人)であった。  困った場面として多く挙げられたのが、「トイレや浴室を利用するとき」(55.9%)、「利用しやすい旅館やホテルを探すとき、 予約するとき」(47.6%)、「施設や施設内の設備」(39.6%)、「従業員の応対、従業員とのコミュニケーション」(25.7%)で あった。利用しなかった理由は、「必要がなかった」が79.1%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.6%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が2.0%、「その他」が8.9%であった。 [映画館、劇場、遊園地] 映画館、劇場、遊園地を過去1年間で利用したことがある人は63.2%(1,385/2,191人)、ない人は33.3%(729/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は41.8%(579/1,385人)、ない人は49.5%(686/1,385人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「トイレを利用するとき」(43.4%)、「施設や施設内の設備」(43.2%)、 「利用しやすい映画館、劇場や遊園地を探すとき」(33.0%)、「従業員の応対、従業員とのコミュニケーション」(24.0%)であった。  利用しなかった理由は、「必要がなかった」が74.8%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が4.4%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が3.0%、「その他」が8.8%であった。 [公園、体育館] 公園、体育館を過去1年間で利用したことがある人は69.1%(1,516/2,191人)、ない人は26.7%(584/2,191人)であった。  利用して困ったことがある人は35.0%(530/1,516人)、ない人は55.6%(843/1,516人)であった。  困った場面として多く挙げられたのが、「施設や施設内の設備」(45.1%)、「利用しやすい公園、体育館を探すとき」(36.0%)、 「職員の応対、職員とのコミュニケーション」(27.0%)、「利用できるサービスについて調べるとき、問い合わせるとき」(26.8%)、 であった。利用しなかった理由は、「必要がなかった」が83.2%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.1%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が1.9%、「その他」が4.1%であった。 [役所、警察・交番、救急・消防等の行政サービス施設や窓口]  役所、警察・交番、救急・消防等の行政サービス施設や窓口を過去1年間で利用したことがある人は73.4%(1,607/2,191人)、 ない人は24.3%(533/2,191人)であった。  利用して困ったことがある人は41.6%(668/1,607人)、ない人は52.9%(850/1,607人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「職員の応対、職員とのコミュニケーション」(51.2%)、 「手続きや申込みをするとき」(46.0%)、「利用できるサービスについて調べるとき、問い合わせるとき」(31.7%)、 「連絡先や場所を探すとき」(31.7%)であった。  利用しなかった理由は、「必要がなかった」が80.3%、「介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.3%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が0.6%、「その他」が5.6%であった。 [銀行、郵便局] 銀行、郵便局を過去1年間で利用したことがある人は79.8%(1,749/2,191人)、ない人は17.6%(386/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は42.1%(737/1,749人)、ない人は51.6%(901/1,749人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「ATM(現金自動支払機)を利用するとき」(52.0%)、 「払い込みや手続きをするとき」(36.1%)、「職員の応対、職員とのコミュニケーション」(32.0%)、 「順番を待つとき」(30.5%)であった。 利用しなかった理由は、「必要がなかった」が77.7%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.6%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が1.3%、「その他」が15.3%であった。 [図書館] 図書館を過去1年間で利用したことがある人は35.1%(769/2,191人)、ない人は61.1%(1,339/2,191人)であった。 利用して困ったことがある人は33.7%(259/769人)、ない人は61.0%(469/769人)であった。困った場面として多く挙げられたのが、 「蔵書などを探すとき、借りるとき」(51.4%)、「職員の応対、職員とのコミュニケーション」(32.4%)、 「トイレを利用するとき」(24.7%)、「施設や施設内の設備」(24.3%)であった。  利用しなかった理由は、「必要がなかった」が82.4%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が2.2%、 「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.9%、「その他」が5.8%であった。 [病院、診療所] 病院、診療所を過去1年間で利用したことがある人は94.8%(2,077/2,191人)、ない人は2.7%(59/2,191人)であった。  利用して困ったことがある人は43.0%(893/2,077人)、ない人は50.8%(1,055/2,077人)であった。 困った場面として多く挙げられたのが、「院内で待つとき、ロビーなどで休むとき」(43.1%)、 「医師から治療の説明を受けるとき、医師とのコミュニケーション」(43.0%)、「受付や看護師など職員の応対、 職員とのコミュニケーション」(37.6%)、「施設や施設内の設備」(31.2%)であった。  利用しなかった理由は、「必要がなかった」が86.4%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が1.7%、 「その他」が1.7%であった。 ウ 住宅 [住宅(探す、引っ越す)] 過去1年間で住宅を探したり引っ越したことがある人は9.3%(204/2,191人)、ない人は88.2%(1,932/2,191人)であった。 そのとき困ったことがある人は70.1%(143/204人)、ない人は22.5%(46/204人)であった。困ったこととして多く挙げられたのが、 「購入価格または家賃が高い」(58.0%)、「設備面で適切な住宅がない」(51.0%)、 「不動産屋や家主の理解が得られない」(38.5%)、「適切な住宅の情報が得られない」(38.5%)であった。 住宅を探したり引っ越しをしなかった理由は、「必要がなかった」が82.8%、「できる環境や条件が整っていなかった」が1.6%、 「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が0.3%、「その他」が1.3%であった。 [住宅(改造)] 過去1年間で住宅の改造をしたことがある人は15.7%(345/2,191人)、ない人は79.5%(1,740/2,191人)であった。 そのとき困ったことがある人は36.5%(126/345人)、ない人は56.0%(193/345人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「改造資金の確保が困難」(49.2%)、「住宅改造の補助制度が十分でない」(46.8%)、 「改造について誰に相談してよいか分からない」(23.0%)、「家主の理解が得られない」(9.5%)であった。  住宅を改造しなかった理由は、「必要がなかった」が78.1%、「環境や条件が整わなかった」が3.0%、 「必要な情報や介助などのサポートが得られなかった」が1.8%、「その他」が4.0%であった。 エ 生活用品 [身の回りの日用品]  過去1年間で、身の回りの日用品(衣類、食料用品、家具、電気・ガス機器、その他日常生活用品)を使用して困ったことのある人は 32.5%(711/2,191人)、ない人は62.7%(1,374/2,191人)であった。 使用して困ったことのある日用品として多く挙げられたのが、「電気・ガス機器」(52.9%)、 「食料・飲料用品(フタ、トレイ、チューブなどの容器や包装)」(38.4%)、「衣類」(35.4%)、 「その他日常生活用品(台所用品、洗剤、化粧品、衛生用品など)」(27.3%)であった。 困ったことの内容として多く挙げられたのが、「取扱説明書が読めない、分かりづらい」(35.3%)、 「構造やデザインが使いづらい、使えない」(29.0%)、「購入するとき、商品情報が十分に得られない」(28.1%)、 「包装容器の開け閉め」(28.0%)であった。 オ 災害時、事故発生時などの緊急時の対応 [災害や事故、緊急避難、犯罪被害など急な対応が必要とされる経験]  過去3年間で、災害や事故、緊急避難、犯罪被害など急な対応が必要とされる経験をしたことのある人は15.0%(328/2,191人)、 ない人は81.8%(1,792/2,191人)であった。  そのとき困ったこととして多く挙げられたのが、「必要な情報が得られない(何が起きているのか、どうすればいいのかなど)」 (43.6%)、「緊急時の救援体制が不十分」(32.0%)、「通報できない、自分の危険を周囲に知らせることが難しい」(30.2%)、 「支援してくれる人がいない、すぐに見つけられない」(29.0%)であった。 U 情報・コミュニケーション ア マスメディア(テレビ、新聞など) [テレビ] テレビを見る(視聴する)人は、93.4%(2,047/2,191人)、見ない人は4.1%(89/2,191人)であった。 テレビを見て(視聴して)困ったことがある人は30.4%(622/2,047人)、ない人は65.1%(1,333/2,047人)であった。  困ったこととして多く挙げられたのが、「画面上の重要な情報(緊急情報など)や、外国語の翻訳(字幕)が、 画面でしか表示されず、読み上げられない」(31.7%)、「字幕がついていない」(29.3%)、「音声解説がない」(22.8%)、 「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」(22.0%)であった。  テレビを見ない(視聴しない)理由は、「必要がなかった」が29.2%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が7.9%、 「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.4%、「その他」が44.9%であった。 [新聞、雑誌]  新聞、雑誌を読む(点訳・音訳(朗読)サービスを利用して読んだり、点字新聞・雑誌を読むことも含む)人は、 84.3%(1,848/2,191人)、読まない人は11.8%(258/2,191人)であった。読んでいて困ったことがある人は26.4%(488/1,848人)、 ない人は67.9%(1,255/1,848人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「字が見にくい、またはデザインが見にくい」(45.5%)、 「内容が難しい、分かりにくい」(36.5%)、「イラストや解説が少ない」(15.4%)、「点訳や音訳(朗読)などのサービスが 利用しにくい」(5.7%)であった。読まない理由は、「必要がなかった」が50.0%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が 4.3%、「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が3.9%、「その他」が36.0%であった。 イ インターネット [インターネット] 過去1年間でインターネット(パソコンのホームページや電子メール)を利用した人は49.0%(1,073/2,191人)、 利用しない人は47.8%(1,047/2,191人)であった。  利用していて困ったことがある人は50.5%(542/1,073人)、ない人は44.3%(475/1,073人)であった。  困ったこととして多く挙げられたのが、「機器や通信にかかる費用が高い」(43.2%)、「使い方を教えてくれる人が身近にいない」 (34.3%)、「書かれている内容が難しい、分かりづらい」(32.5%)、「キーボードや周辺機器、ソフトウェアが操作しづらい」 (31.5%)であった。  利用しない理由は、「必要がなかった」が61.4%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が10.9%、 「必要な介助などのサポートや情報が得られなかった」が4.9%、「その他」が14.2%であった。 ウ 電話、携帯電話、ファックス [電話、携帯電話(メールも含む)] 過去1年間で電話、または携帯電話(メールも含む)を利用していて困ったことがある人は38.2%(838/2,191人)、 ない人は47.8%(52.5/2,191人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「機器の操作が難しい」(42.2%)、「取扱説明書が読めない、分かりづらい」(28.6%)、 「相手の声が聞きづらい、分からない」(28.4%)、「画面や文字が見づらい」(18.5%)であった。 [ファックス]  過去1年間でファックスを利用していて困ったことがある人は19.6%(429/2,191人)、ない人は57.7%(1,266/2,191人)であった。  困ったこととして多く挙げられたのが、「相手がファックス・モードになったいるか分かりづらい」(45.2%)、 「公的機関などのファックス番号が公表されていない」(31.2%)、「機器の操作が難しい」(30.1%)、 「ファックスのボタンや表示が見にくい、見えない」(15.9%)であった。 エコミュニケーション支援体制 [手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳派遣のサービス] 過去1年間で、手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳派遣のサービスを利用した人は10.7%(235/2,191人)、 しない人は83.4%(1,827/2,191人)であった。  利用していて困ったことがある人は55.8%(131/235人)、ない人は37.0%(87/235人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「サービスの利用できる地域、時間帯が限られる」(42.0%)、 「必要なサービスや制度に関する情報が不十分」(38.2%)、「サービス事業者の守秘義務やプライバシー保護に関すること」(32.8%)、 「利用の手続きが難しい、分かりにくい」(22.1%)であった。 利用しない理由は、「必要がなかった」が87.6%、「必要な情報が得られなかった」が0.9%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が0.3%、「その他」が1.4%であった。 [点訳、音訳、拡大図書の制作・貸し出しのサービス] 過去1年間で、点訳、音訳、拡大図書の制作・貸し出しのサービスを利用した人は9.5%(208/2,191人)、しない人は84.3% (1,847/2,191人)であった。  利用していて困ったことがある人は29.8%(62/208人)、ない人は62.5%(130/208人)であった。  困ったこととして多く挙げられたのが、「図書などの数、種類が少ない」(50.0%)、「サービスの利用できる時間帯が限られる」 (35.5%)、「必要なサービスや制度に関する情報が不十分」(30.6%)、「サービス事業者の守秘義務やプライバシー保護に関すること」 (14.5%)であった。 利用しない理由は、「必要がなかった」が87.6%、「必要な情報が得られなかった」が1.3%、 「設備、環境や条件が整っていなかった」が0.5%、「その他」が0.8%であった。 [障害に配慮した情報支援サービス] 上記以外に、障害に配慮した情報支援サービスで、過去1年間に利用したことがあるものは、「デイジーなどの利用」(5.8%)、 「字幕付ビデオの利用」(5.0%)、「知的障害者に読みやすい図書や資料(絵やふりがななどを使って分かりやすく工夫されたもの) の利用」(30.6%)であった。なお「特に利用したことはない」との回答が65.4%あった。(回答者2,191人中)利用して困ったことと して多く挙げられたのが、「図書などの数、種類が少ない」(46.1%)、「必要なサービスや制度に関する情報が不十分」(43.4%)、 「利用できるサービスが身近にない」(23.7%)「サービスの利用できる時間帯が限られる」(22.4%)であった。 利用しない理由は、「必要がなかった」が79.9%、「必要な情報が得られなかった」が3.5%、「設備、環境や条件が整っていなかった」が 1.2%、「その他」が1.3%であった。 オ その他の情報提供 [行政からのお知らせや生活情報]  行政からのお知らせや生活情報を得るために、過去1年間で利用した方法として多く挙げられたのは、「行政の広報誌、ポスター、 チラシ、パンフレット」(66.1%)、「団体の会報、機関誌」(58.3%)、「新聞、雑誌の記事」(50.1%) 「テレビやラジオの放送」(47.5%)であった。(回答者2,191人中)  情報を得るのに困ったことがある人は24.9%(546/2,191人)、ない人は59.6%(1,305/2,191人)であった。  困ったこととして多く挙げられたのが、「情報量が少ない」(59.9%)、「情報の内容が分かりにくい、または説明不足」(50.2%)、 「手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳等による情報提供が不十分」(19.6%)、「点訳、音訳(朗読)等による情報提供が不十分」 (13.0%)であった。(回答者2,191人中) [選挙に関する情報]  選挙に関する情報を得るために、過去1年間で利用した方法として多く挙げられたのは、 「行政の広報誌、ポスター、チラシ、パンフレット」(71.4%)、「テレビやラジオの放送」(65.9%)、 「新聞、雑誌の記事」(52.2%)、「周囲の人から」(30.1%)であった。(回答者2,191人中)情報を得るのに困ったことがある人は 20.0%(438/2,191人)、ない人は64.6%(1,415/2,191人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「情報量が少ない」(61.4%)、「情報の内容が分かりにくい、または説明不足」(44.3%)、 「手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳等による情報提供が不十分」(27.6%)、「点訳、音訳(朗読)等による情報提供が不十分」 (12.1%)であった。 [災害や事故、大きな事件などの情報]  災害や事故、大きな事件などの情報を得るために、過去3年間で利用した方法として多く挙げられたのは、「テレビの災害情報」 (81.9%)、「ラジオの災害情報」(34.0%)、「周囲の人から聞いた」(30.9%)、「インターネット上の情報」(16.3%)であった。 (回答者2,191人中)  情報を得るのに困ったことがある人は15.5%(340/2,191人)、ない人は66.3%(1,453/2,191人)であった。 困ったこととして多く挙げられたのが、「音声に手話、字幕などの情報保障がなかった」(40.3%)、 「電話、ファックスがつながりにくかった」(40.0%)、「災害掲示板や伝言板などの情報が十分でなかった」(27.6%)、 「文字情報に点字、音声解説や音訳(朗読)などがなかった」(16.8%)であった。 クロス集計について  本調査では、障害種別、年齢区分別、性別、市区町村規模別などのクロス集計を行っており、調査結果本文中では、 各質問項目ごとに、これらのクロス集計からうかがえる特徴などについても述べている。  また特に性別と市区町村規模別集計に関しては、末尾において、個別に概観を述べている。ここでもその一部について述べたい。 [性別による差異]  回答者のうち男性は66.0%、女性は33.8%で、男性の割合が高い。女性は、18歳〜64歳に、回答者の83.8%が集中している。 女性のほうが、幼いときからの障害者の割合が大きく、特に5歳以下でその割合が高い。かつ、20歳以上で障害がおきた人の割合が低い。  聴覚障害者は、女性障害者の中で14.9%を占め、障害種別ごとに見たときに、唯一、女性の人数が男性を上回る。このことは、 回答全体を通じて、情報・コミュニケーションに関する部分で、女性の率が高いことにつながっていると思われる。  「仕事をしている」「毎日外出している」との回答は男性が多い。「運転免許を持っている」「ふだん車の運転をする」との回答も、 男性が高く、恐らくこれに関連して、公共交通機関の利用は、概して女性のほうが多い。公共施設では、「公園、体育館」 「旅館、ホテル」の利用は男性のほうが多く、「スーパー、コンビニ、デパート」「銀行、郵便局」の利用は女性が多い。 住宅に関して困ったことは、住宅を探す段階で問題となる設備面を女性が挙げ、不動産屋や家主との関係で生じる、 世帯主・契約者としての問題を男性が挙げている。利用して困ったことがある日用品では、「食料、飲料用品」「家具、寝具」 「その他日常生活用品」は女性が多く、「趣味、娯楽用品」は男性が多い。  こうした背景には、これまでの男女間における活動範囲等の違いが、障害のある人の間にも反映されているのではないかと思われる。 [市区町村の規模による差異] 回答者が住んでいる市区町村は、「中都市」(人口概ね15万人以上100万人未満)、「大都市」(概ね100万人以上)、 「小都市A」(概ね5万人以上15万人未満)、「小都市B」(5万人以下)の順に多い。性別、年齢構成別でみても、住んでいる 市区町村規模はほぼこの順番であるが、障害種別でみると、大都市に住む肢体不自由者の割合が高い。また市区町村規模別で精神障害者が 住む割合は、規模が小さくなるほど高くなる傾向がみられる。  住まいについては、「戸建て」に住む人の割合は小都市のほうが高く、「公営住宅」「民間のアパートやマンション」に住む人は 大都市のほうが多い。また「ひとりぐらし」する人は大都市のほうが多い。  交通機関を利用する人の割合は、概ね大都市のほうが高く、また困ったことがある人も、大都市のほうが高い。公共施設については、 利用の有無については市区町村規模による差はあまり見られないが、困ったことがある人は、大都市のほうが高くなる傾向がある。 このほか、「住宅を改造して」困った人、「身の回りの日用品を使用して」困った人、テレビ、新聞、インターネット、電話を利用して 困った人の割合も、大都市が高い傾向がある。 一方、「住宅を探したり引っ越し」して困った人、「手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳」「点訳、音訳、拡大図書」について 「利用できるサービスが身近になくて困った」人などは、回答者数自体は少ないものの、小都市でも高い割合が見られた。  概して制度やインフラが整備されている大都市圏で「困った」という回答が多いのは、生活環境や施策への要求水準の違い、 もしくはサービスの利用状況や生活スタイルの違いなどが反映していると考えられる。 ※障害種別によるクロス集計については、巻末資料の中にデータを掲載しているので併せて参照されたい。