Ⅰ 生活環境
エ 生活用品
目次
問21 身の回りの日用品
問21 過去1年間で、身の回りの日用品(衣類、食料用品、家具、電気・ガス機器、その他日常生活用品)を使用して困ったことはありますか。
| ある | ない | 回答なし | 合計 |
|---|---|---|---|
| 711 | 1,374 | 106 | 2,191人 |
| 32.5% | 62.7% | 4.8% | 100.0% |
- 「困ったことがない」人(62.7%:1374/2191人)の比率のほうが高いが、3人に1人は、「困ったことがある」(32.5%:711/2191人)と答えている。
- 「困ったことがある」人の比率は、視覚障害者56.5%(135/239人)、聴覚障害者44.8%(90/201人)、難病40.6%(41/101人)、言語障害者37.5%(3/8人)、肢体不自由者35.5%(184/518人)、精神障害者27.5%(82/298人)、が高めで、知的障害者22.3%(42/188人)、内部障害者16.1%(58/360人)、発達障害者14.6%(7/48人)の順となっている。
- 年齢別にみると、18~64歳(34.1%:587/1720人)と3人に1人、0~17歳(24.5%:12/49人)と65歳以上(26.3%:108/410人)が、4人に1人が使用して困ったことがあると回答している。
- 市区町村の規模別では、人口概ね100万人以上の大都市(40.6%:228/561人)、人口概ね15万人以上100万人未満の中都市(32.5%:257/791人)に高めで、人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A(29.7%:130/438人)、人口5万人未満の小都市B(24.2%:88/363人)と、規模が小さいほうが困ったことがある人の率が減っている。
- 性別に関しては、女性(37.6%:278/740人)の方が男性(29.9%:433/1446人)より、7.7%困った率が高くなっている。
問21-1 使用して困ったことのある日用品はどれですか。

- 困ったことのある日用品では、「電気・ガス機器」52.9%(376/711人)が一番多く、次いで「食料・飲料用品(フタ、トレイ、チューブなどの容器や包装)」38.4%(273/711人)、「衣類」35.4%(252/711人)、「その他日常生活用品(台所用品、洗剤、化粧品、衛生用品など)」27.3%(194/711人)、「家具・寝具類」15.9%(113/711人)、「趣味・娯楽用品など(小物、玩具、スポーツ用品など)」16.9%(120/711人)、「食器類(皿・椀・はし・フォーク・ナイフなど)」12.1%(86/711人)の順となっている。
- 肢体不自由者は、「衣類」49.5%(91/184人)、「食料・飲料用品」43.5%(80/184人)、「電気・ガス機器」38.0%(70/184人)となっている。
- 視覚障害者は、「電気・ガス機器」71.9%(97/135人)、「食料・飲料用品」51.1%(69/135人)、「生活用品」33.3%(45/135人)、「衣類」31.1%(42/135人)となっており、他の項目よりも多く困ったとあげている。
- 聴覚障害者では、「電気・ガス機器」66.7%(60/90人)が他よりも多く困ったとあげている。
- 知的障害者は、「衣類」50.0%(21/42人)、「電気・ガス機器」38.1%(16/42人)、「食料・飲料用品」33.3%(14/42人)を3人に1人以上があげている。
- 発達障害者は、サンプル数が少ないが、「電気・ガス機器」71.4%(5/7人)を多くあげている。
- 内部障害者は、「食料・飲料用品」50.0%(29/58人)、「電気・ガス機器」41.4%(24/58人)を、半数近くの人があげている。
- 難病に関しては、「食料・飲料用品」の項目に関して、51.2%(21/41人)の人が、困ったこととしてあげている。
- 0歳~17歳では、「衣類」66.7%(8/12人)、「電気・ガス機器」41.7%(5/12人)に多くの回答があった。
- 18歳~64歳では、「電気・ガス機器」52.5%(308/587人)、「食料・飲料用品」38.5%(226/587人)、「衣類」36.8%(216/587人)となっている。
- 65歳以上では、「電気・ガス機器」57.4%(62/108人)、「食料・飲料用品」38.9%(42/108人)、「その他日常生活用品」25.9%(28/108人)となっており、どの年代にも困ったことのある日用品としてでてくるのは、「電気・ガス機器」であった。
- 市区町村の規模別では、大きな差は見受けられなかった。
- 性別では、大きな差は無かった。「電気・ガス機器」(女性54.0%:150/278人・男性52.2%:226/433人)、「食料・飲料用品」(女性41.7%:116/278人・男性36.3%:157/433人)、「衣類」(女性34.5%:96/278人・男性36.0%:156/433人)となっている。
問21-2 困ったことは何ですか。

- 困った内容で、一番多かったのは、「取り扱い説明書が読めない・分かりづらい」35.3%(251/711人)、「構造やデザインが使いづらい・使えない」29.0%(206/711人)、「購入するとき、商品情報が十分に得られない」28.1%(200/711人)、「包装容器の開け・閉め」28.0%(199/711人)、「商品表示が分からない、分かりづらい」24.9%(177/711人)が、約4人に1人以上があげている項目である。
- 肢体不自由者では、「包装容器の開け・閉め」46.7%(86/184人)、「構造やデザインが使いづらい、使えない」42.9%(79/184人)の、操作が伴う事項に多く回答があった。
- 視覚障害者では、「取り扱い説明書が読めない、分かりづらい」82.2%(111/135人)、「商品表示が分からない、分かりづらい」60.7%(82/135人)、「購入するとき、商品情報が十分に得られない」46.7%(63/135人)など、視覚表示に関わる項目に多くの回答があった。
- 聴覚障害者では、「購入するとき、商品情報」43.3%(39/90人)、「取り扱い説明書が読めない、分かりづらい」30.0%(27/90人)など、音声を含めての情報入手に関する項目に、困ったことが多くあげられた。
- 知的障害者では、「取り扱い説明書」42.9%(18/42人)、「購入するとき、商品情報」28.6%(12/42人)、「構造やデザインが使いづらい」23.8%(10/42人)が、約4人に1人以上、困ったこととしてあげている。
- 発達障害者と、精神障害者は下記のように困ったことは、「取り扱い説明書」(42.9%:3/7人)(25.6%:21/82人)、「商品に関する問い合わせ先」(28.6%:2/7人)(17.1%:14/82人)、「購入するとき、商品情報」(14.3%:1/7人)(25.6%:21/82人)と、使用前の状況での困ったことを多くあげられている。
- 内部障害者では、「包装容器の開け・閉め」37.9%(22/58人)、「構造やデザインが使いづらい」17.2%(10/58人)など、操作性に関係する項目に困ったことがあがっている。
- 言語障害者の場合、回収が少ないので全体像を把握することは困難であるが、本分野の質問項目であれば、障害のない人の回答に近いかもしれない。
(障害種別によるクロス集計表:表35) - 0歳~17歳では、「取り扱い説明書」41.7%(5/12人)、「構造やデザインが使いづらい」33.3%(4/12人)となっている。
- 18歳~64歳では、「取り扱い説明書」34.8%(204/587人)、「構造やデザインが使いづらい」31.0%(182/587人)は、大きく変わらないが、「商品情報が不十分」27.4%(161/587人)、「表示が分からない」23.7%(139/587人)が増えてきている。更に、65歳以上となると更に、「取り扱い説明書」38.9%(42/108人)、「商品情報が不十分」34.4%(37/108人)、「表示が分からない」33.3%(36/108人)が、増加している。
- 市区町村の規模別では、大きな差は見受けられなかった。
- 性別による集計では、男女とも、「取り扱い説明書が読めない・分かりづらい」(女性35.3%:98/278人・男性35.3%:153/433人)に一番回答が多かった。続いても、男女とも「構造やデザインが使いづらい」(女性33.1%:92/278人・男性26.3%:114/433人)であった。
問21-3 生活用品全般についての自由記述
問21-3 生活用品全般について、具体的にどのようなことで困りましたか。また、それに対してどうしましたか。その結果はどうでしたか。改善に向けたご提案なども含め、自由にお書きください。
生活用品に関しては、434件の自由意見が寄せられている。大別すると、1)事前情報・アフターフォロー、2)取り扱い説明書、3)包装・容器、4)操作性、5)廃棄、に関して集約された。これは、日本が国際標準化機構(ISO)で、発行されているISO/IECガイド71(高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針)で整理されている配慮点と合致している。また、5)の操作性に関する記入では、下記の製品が取り上げられている。
ガス台、家電(洗濯機・冷蔵庫)、電器のブレーカー、座椅子、たんすなど、家族複数で使用するものから、パソコン、カメラ、爪きり、手袋、フォークナイフ、糸通し、ペットボトルなど個人で使うものまで幅広く記載されている。
複数で使うものでは、自分の身体特性にあっていないなど、物理的な不便さに比べ、個人で使うものに関しては、物理的な不便さに加え、「あうデザインがない」などの、感性的な指摘もあった。
■■自由記述の紹介
■困ったこと
【事前情報・アフターフォロー】
- どこのメーカーも同じと思いますが、説明書にFAX番号が記載されていない。(男性、60代、聴覚障害)
- 賞味期限がわからない。(男性、50代、視覚障害)
- ショッピングカーの使いやすい物が見つからず困った。(女性、60代、内部障害)
- 音声の出る、ビデオデッキが故障して使えなくなったが、新しく購入しようにも今は、そういう製品が製造されていない。(女性、40代、視覚障害)
【取り扱い説明書】
- 説明書を読んでも分かりづらい。(男性、30代、肢体不自由)
- 説明書が英語で書いてあり使い方がわからない(女性、40代、肢体不自由)
- 説明文が小さくて読めない。説明文が多すぎて理解が得られない。(男性、70代、肢体不自由)
- 説明書が専門用語ばかりで理解できない(女性、60代、聴覚障害)
【包装・容器】
- 握力が少ないのでフタがこまる。(男性、50代、肢体不自由)
- 牛乳パックの開け口が左右分からない(男性、60代、視覚障害)
- 色、種類(のみもの、アルコールなど)がわからない。(女性、30代、視覚障害)
【操作性】
- 自分で温める力がない為、手袋をしても手のみ冷えて耐へがたい。(男性、70代、肢体不自由)
- 蛍光灯やエアコン等に手がとどかない。日常生活にヘルパーは使っていないが、蛍光灯の交換や、たまの大掃除にヘルパーを使いたい。(男性、30代、肢体不自由)
- ズボンのホックとめづらい(フロントホックのブラジャーが少ない。(女性、30代、肢体不自由)
- デジカメのシャッターが硬かった(男性、20代、肢体不自由)
- 構造が健常者中心に造られているので色々困るものがある。(男性、50代、肢体不自由)
- 使いやすい生活用品は福祉用品が多く値段が高く助成がない。(男性、30代、肢体不自由)
- ガス台が高く、なべの中が見えない。(女性、50代、肢体不自由)
- 電動車イスが故障すると、自分の体に合っていない代車になってしまう(女性、40代、肢体不自由)
- 手が不自由なのでボタン、ジッパーが使いやすいものが、あまりない(男性、20代、肢体不自由・知的障害)
- 片手でも扱える用品が増えれば有り難いと思います。(女性、30代、肢体不自由)
- 炊飯器の内がまに、さわれる目盛りがなくなった。(女性、60代、視覚障害)
- 電気製品のデジタル標示が音声がない為、操作が出来ずこまっている。(男性、50代、視覚障害)
- 視覚障害用に簡単なしくみの生活用品にしてほしい。(男性、70代、視覚障害)
- 突然大きな音を出す機器を知らず操作し周囲からひんしゅくをかうことがある。(男性、40代、聴覚障害)
- カメラのフィルムの入れ方が分かりづらかった。(男性、30代、知的障害)
- 電気製品の機能が多すぎて分かりにくい(男性、10代、知的障害)
【廃棄】
- 電家製品の廃棄をする時は力もなく他の人に相談しにくく、処分に困る。(女性、50代、視覚障害)
■とった行動・その結果
とった行動には、大別すると、1)あきらめる、2)周りの人に頼む、3)メーカーに相談する、4)自分で工夫する、に分かれた。
- あきらめている・がまんしている(多数)
- 人に頼んでいる。(多数)
- 説明書を読んでも分かりづらく会社側に説明書の改善を求めた。(男性、30代、肢体不自由・他)
- メーカーに相談した。(男性、20代、肢体不自由・他)
- 自分で点字表示をした(男性、50代、視覚障害・他)
- 販売店に聞く(男性、70代、視覚障害・他)
■具体的な提案
具体的提案に関しても、「困ったこと」と同様に、下記の分類ができた。ただし、「廃棄」に関する具体的提案は出てこなかった。
【事前情報・アフターフォロー】
- パソコンが出来ないため、便利な生活用品情報を得られる無料の所が行政にほしい。(女性、70代、肢体不自由)
【取り扱い説明書】
- 説明書を読んでも分かりづらく会社側に説明書の改善を求めた。(男性、30代、肢体不自由)
- 電気製品等の取扱い説明書が、はじめから音声訳もしくはパソコンで読み取れるものであるようにしてほしい。(男性、60代、視覚障害)
- 点字の説明書がほしい(男性、50代、視覚障害)
【包装・容器】
- 点字の表示をつけてほしい。(女性、30代、視覚障害)
- 片手でも扱える用品が増えればと思う。(女性、30代、肢体不自由)
【操作性】
- 暖房つきの手袋がほしい。(男性、70代、肢体不自由)
- もう少し大きい操作ボタンを作ってほしい(女性、30代、肢体不自由)
- もっとユニバーサルでほしい。(男性、60代、肢体不自由他)
- 家電には音声又は点字ガイドを要望する。(女性、50代、視覚障害)
- ケイタイ電話など、使い方が複雑で使いこなせない。機能が多すぎ! もっとカンタンに使えるように設計して欲しい(女性、40代、聴覚障害)
- 聴障者を配慮した製品が少ない様に感じる。例えば、電子レンジの音など、音で知らせるものを代用としてランプやバイブレーターを使うなど、全ての製品にユニバーサルデザインに工夫して欲しいと思います。(男性、40代、聴覚障害)