Ⅰ 生活環境
ウ 住宅
目次
問18 過去1年間で住宅を探したり、引っ越したことがありますか。
| ある |
ない |
回答なし |
合計 |
| 204 |
1,932 |
55 |
2,191人 |
| 9.3% |
88.2% |
2.5% |
100.0% |
- 「過去1年間で住宅を探したり、引っ越したりしたことがある人」は、全体のほぼ1割である(9.3%:204/2191人)。
- 障害種別でみると、肢体不自由者13.3%(69/518人)、重複障害者12.7%(24/189人)、精神障害者12.4%(37/298人)がやや多く、知的障害者7.4%(14/188人)がやや少なく、視覚障害者4.6%(11/239人)、内部障害者3.9%(14/360人)、発達障害者2.1%(1/48人)で少ない。
- 年齢別集計では、65歳以上(3.7%:15/410人)で少なく、0歳~17歳(0%:0/49)にはいない。
- 市区町村規模別集計では、規模が大きいほど、「過去1年間住宅を探したり引越ししたりした」比率が高くなる傾向があり、人口概ね100万人以上の大都市居住者(14.6%:82/561人)は、人口5万人未満の小都市B居住者(5.8%:21/363人)の約2.5倍となっている。
- 性別による差はほとんどみられない(女性10.1%:75/740人・男性8.9%:129/1446人)。
○「住宅を探したり引っ越したりする」頻度は、障害の種別よりも、年齢や居住地によるライフサイクルあるいはライフスタイルとの関係のほうが深いようにみえる。また、障害があることと「住宅を探したり引っ越したりする」頻度との関係については今回の調査では不明である。
問18-1 そのとき困ったことがありますか。
| ある |
ない |
回答なし |
合計 |
| 143 |
46 |
15 |
204人 |
| 70.1% |
22.5% |
7.4% |
100.0% |
- 「過去1年間で住宅を探したり、引っ越したりしたことがある人」のうち、「そのとき困ったことがある」人は、全体の7割(70.1%:143/204人)に達し、非常に多い。
- 障害種別では、肢体不自由者84.1%(58/69人)、聴覚障害者85.0%(17/20人)が平均よりやや多い傾向がみられた。
- 17歳以下で「過去1年間で住宅を探したり、引っ越したりしたことがある人」はおらず、65歳以上で非常に少ない(15人)ため、年齢との相関は明らかではない。
- 市区町村規模別集計では、人口概ね100万人以上の大都市居住者(76.8%:62/82人)と人口5万人未満の小都市B居住者(76.2%:16/21人)が平均よりやや高く、人口概ね15万人以上100万人未満の中都市居住者(64.1%:43/67人)と人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者(67.9%:19/28人)でやや低めとなる傾向がみられる。
- 性別による集計では、女性(73.3%:55/75人)のほうが、男性(68.2%:88/129人)より、1割弱多い比率で、「困ったことがあった」と答えている。
○「困ったことがある」人の絶対数が小さいため、障害種別や年齢等との関連はそれほど明確ではないが、おしなべて「住宅を探したり引っ越したりしたことがある」人が、高い比率で「困ったこと」に遭遇していることには注目する必要があるだろう。
問18-2 困ったことは何ですか。

- 「困ったこと」は、「購入価格または家賃が高い」58.0%(83/143人)と「設備面で適切な住宅がない」51.0%(73/143人)が多く、続いて、「適切な住宅の情報が得られない」及び「不動産屋や家主の理解が得られない」38.5%(55/143人)、「契約手続きで、障害を理由に特別な条件を求められる(保証人や火気の利用制限など)」30.8%(44/143人)、「設備の改造を認めてもらえない」22.4%(32/143人)と続く。
- 障害種別では、回答者の40.5%(58/143人)を占める肢体不自由者においては、「設備面で適切な住宅がない」を挙げる人が最も多く75.9%(44/58人)、「購入価格または家賃が高い」60.3%(35/58人)が続く。あとの障害種別では、それぞれ「困ったことがある」とした人そのものの絶対数が少ないので(24~0人)、明確な傾向を論じることはできないが、総じて、「購入価格や家賃が高い」とする人が多くみられ、難病者(6/8人)、内部障害者(5/7人)、重複障害者(12/18人)、知的障害者(2/3人)、聴覚障害者(7/17人)では、最も多くの人が「困ったこと」として挙げている。また、総回答数でみても、「設備面で適切な住宅がない」51.0%(73/143人)を抜いて、第1位58.0%(83/143人)となっている。この2者に続くのは、「適切な情報が得られない」38.5%(55/143人)、「不動産屋や家主の了解が得られない」38.5%(55/143人)であり、さらに「契約手続きで、障害を理由に特別な条件を求められる(保証人や火気の利用制限など)」(30.8%:44/143人)が続く
(障害種別によるクロス集計表:表31)。
- 「困ったこと」を年齢別でみていくと、「30歳~39歳」と「40歳~49歳」において「購入価格または家賃が高い」で困った人が、それぞれ72.1%(31/43人)、70.6%(24/34人)と他に比べて高率であることが目に付く。なお、この年齢帯に属する人は、総回答者のなかでも53.8%(77/143人)、困ったことがある人全体でも52.4%(107/204人)と過半数を占めている。
- 市区町村規模別においては、人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者及び人口5万人未満の小都市B居住者の項目別の回答数がほとんど一桁であるため、特に分析はおこなわなかった。
- 性別では、「購入価格または家賃が高い」が、男女とも高い比率で挙げられているが(男性59.1%:52/88人・女性56.4%:31/55人)、女性における第1位である「設備面で適切な住宅がない」(58.2%:32/55人)は、男性では46.6%(41/88人)と1割以上少なく、逆に、「不動産屋や家主の理解が得られない」(男性45.5%:40/88人・女性27.3%:15/55人)や、「契約手続きで、障害を理由に特別な条件を求められる(保証人や火気の利用制限など)」(男性34.1%:30/88人・女性25.5%:14/55人)においては、1割前後少ない。
○全体として、肢体不自由者を中心としてハードのバリアに対して「困ったことがあった」とした人が多いのは予想されるところであったが、障害の種別に関わらず、非常に多くの人たちが、「購入価格または家賃が高い」ことで困ったとしていることが注目される。また、肢体不自由者を含め、「適切な住宅の情報が得られない」・「不動産屋や家主の理解が得られない」・「契約手続きで、障害を理由に特別な条件を求められる(保証人や火気の利用制限など)」など、情報バリア・心のバリア(障害者に対する差別や偏見)に関するところで「困ったことがあった」とした人も決して少なくなかった。
問18-3 住宅を探したり引っ越しをしなかった理由は何ですか。

- ・「住宅を探したり引越しをしなかった理由」は、「必要がなかった」(82.8%:1599/1932人)とする人がほとんであり、「その他」を含め、他の理由を挙げた人は3.2%(61/1932人)に留まる。(残りは「回答なし」が、14.2%:275/1932人)
- 障害種別でみても、聴覚障害者(75.1%:130/173人)がやや低い以外は、全障害で8割以上が「必要がなかった」を理由にあげ、「回答なし」(全体で14.3%:275/1932人)を除き、他の理由を挙げた人の数は、全障害種別において、一桁以下に留まる。
(障害種別によるクロス集計表:表32)
- 年齢別では、「過去1年間に住宅を探したり引越したりした」人が極めて少なかった「0~17歳」(79.6%:39/49人)、及び「65歳以上」(81.0%:307/379人)を含め、ほぼ全年齢帯において「必要がなかった」を8割前後の人が理由として挙げている。
- 市区町村規模別では、「必要がなかった」とした人は人口概ね100万人以上の大都市居住者でわずかに低め(78.6%:363/462人)、人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者においてわずかに高め(86.0%:343/399人)である以外には特に差はない。
- 性別では、「必要がなかった」を挙げた男性が83.3%(1069/1283人)に対して、女性も、81.5%(525/644人)であり、他の理由を挙げた人がほとんどいなかったことを含め、特に性差はみられない。
○「住宅を探したり引越しをしなかった」人のほとんどは、「引っ越す必要がなかったから」という回答だが、これは、「引っ越す必要があった」人は、その多くが「困ったこと」に直面しながらも、引っ越していったということなのだろうか。引越し後の満足度も含め今後の確認が必要であろう。
問19 過去1年間で住宅の改造をしたことがありますか。
| ある |
ない |
回答なし |
合計 |
| 345 |
1,740 |
106 |
2,191人 |
| 15.7% |
79.5% |
4.8% |
100.0% |
- 「過去1年間で住宅の改造をしたことがある」人は、全体の15.7%(345/2191人)である。
- 障害種別では、難病者21.8%(22/101人)、肢体不自由者21.4%(111/518人)、視覚障害者18.0%(43/239人)に多めであり、発達障害者4.2%(2/48人)、知的障害者8.5%(16/188人)、精神障害者8.7%(26/298人)が少なめとなっている。
- 年齢別でみると、「0歳~17歳」(6.1%:3/49人)から、「18歳~64歳」(14.4%:248/1720人)、『65歳以上』(22.7%:93/410人)と、基本的には年齢が上のほうが、「過去1年間で住宅の改造をしたことがある」人が多くなる。
- 市区町村の規模別では、特に傾向はみられない(最小で人口概ね100万人以上の大都市居住者14.3%:80/561人・最大で人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者16.7%:73/438人)。
- 性別による差も、ほとんど見られない。(男性16.3%:235/1446人・女性14.9%:110/740人)
○全体として、「住宅を探したり引越しをする」ことに比べて、住宅の改造のほうが多くおこなわれている実情が、難病・肢体不自由・視覚障害を中心としてうかがわれる。
問19-1 そのとき困ったことがありますか。
| ある |
ない |
回答なし |
合計 |
| 126 |
193 |
26 |
345人 |
| 36.5% |
56.0% |
7.5% |
100.0% |
- 「困ったことがない」人(56.0%:193/345人)の比率のほうが高いとはいえ、3人に1人以上は、「困ったことがある」(36.5%:126/345人)と答えている。
- 「困ったことがある」人の比率は、障害種別でかなりばらつきが大きく、聴覚障害者70.0%(21/30人)で非常に高くなり、精神障害者42.3%(11/26人)、肢体不自由者42.3%(47/111人)も高く、知的障害者12.5%(2/16名)、内部障害者22.8%(13/57人)では低めとなっている。
- 年齢別では、もともと住宅改造そのものをほとんどしていない「0歳~17歳」を除き、「18歳~64歳」では37.1%(92/248人)、「65歳以上」では35.5%(33/93%)と、特に差はみられない。
- 市区町村の規模別では、人口概ね100万人以上の大都市居住者(22.8:%32/80人)、人口概ね15万人以上100万人未満の中都市居住者(39.7:%52/131人)において「困ったことがある」人はやや高めであり、人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者(32.9%:24/73人)、人口5万人未満の小都市B居住者(29.8%:17/57人)で、やや低めとなっている。
- 性別による差はほとんど見られない。(男性36.2%:85/235人・女性37.3%:41/110人)
○「住宅を探したり引越しする」際に比べればやや少ないが、3人に1人が、自宅の改造においても、「困ったこと」に直面している。
問19-2 困ったことは何ですか。

- 「困ったこと」は、「改造資金の確保が困難」49.2%(62/126人)と「住宅改造の補助制度の情報が充分ではない」46.8%(59/126人)が高く、続いて、「その他」23.8%(30/126人)と「改造について誰に相談してよいかわからない」23.0%(29/126人)であり、「家主の理解が得られない」9.5%(12/126人)は比較的少ない。(ただし、回答者総数に占める「戸建て」居住者は、65.9%(1445/2191人)にも及ぶことからは、回答者における賃貸者の比率を勘案する必要がある)
- 障害種別でみると、「困ったこと」を多く挙げている肢体不自由者(37.3%:47/126人)においては、全体の傾向とほぼ同じであることが認められるが、その他の障害種別では、対象者の絶対人数が少ないため(0~21人)、個別の傾向を論じることは難しい。
(障害種別によるクロス集計表:表33)
- 年齢別では、「改造資金の確保が困難」は、「18歳~64歳」50.0%(46/92人)と「65歳以上」48.5%(16/33人)でほとんど変わらないが、「改造について誰に相談してよいかわからない」は、「18歳~64歳」(28.3%:26/92人)に比較的多く、「65歳以上」(9.1%:3/33人)ではあまりいない。
- 市区町村の規模別では、サンプル数が少ないため、個別の傾向を論じることは難しかった。
- 性別では、「家主の理解が得られない」(男性12.9%:11/85人・女性2.4%:1/41人)が女性に少なく、「改造資金の確保が困難」(男性55.3%:47/85人・女性36.6%:15/41人)、「改造について誰に相談してよいかわからない」(男性25.9%:22/85人・女性17.1%:7/41人)などを中心に、男性が高めとなっている。一方で、女性に目立つのは、「その他」(男性20.0%:17/85人・女性31.7%:13/41人)である。
○一番「困ったこと」は、「住宅を探したり引越しをしたりする」ときと同じく、「お金の問題」(改造資金の確保が困難)となっている。
問19-3 改造しなかった理由は何ですか。

- 「改造しなかった理由」としては、ほぼ8割の人(78.1%:1359/1740人)が、「必要がなかった」を理由とし、「できる環境や条件が整わなかった」(3.0%:52/1740人)や「改造するために必要な情報や介助などのサポートが得られなかった」(1.8%:32/1740人)を理由として挙げた人は極めて少ない。また、「回答なし」も、13.4%(233/1740人)に留まっている。
- 障害種別でみても、最低で7割(71.4%:55/77人=難病者)から、最高で9割程度(88.6%:39/44人=発達障害者)の人が「必要がなかった」を理由にあげている。
(障害種別によるクロス集計表:表34)
- 年齢別でみても、そもそもサンプル数が1桁しかない「0~5歳」と「80歳以上」を除けば、最低7割(73.9%:105/142人=「65歳~69歳」)から、最高9割程度(93.8%:15/16人=「18~19歳」)までの範囲にある。
- 市区町村の規模別でも同様である。(最低77.1%:482/625人=人口概ね15万人以上100万人未満の中都市居住者・最高80.6%:282/350人=人口概ね5万人以上15万人未満の小都市A居住者)
- 性別による差もほとんどみられない。(男性79.3%:907/1144人・女性76.0%:450/592人)
○「できる環境や条件が整わなかった」や「改造するために必要な情報や介助などのサポートが得られなかった」等の理由で改造をあきらめた人はほとんどいないようである。
問20 住宅全般について、具体的にどのようなことで困りましたか。また、それに対してどうしましたか。その結果はどうでしたか。改善に向けたご提案なども含め、自由にお書きください。
- 全体では、439件の回答があった。
- 回答内容を障害種別にみてみると、一番回答数が多い肢体不自由者(127/439件:重複を除く)では、「車椅子対応の住宅が少なすぎる(男性、60代)」し、あっても「アクセスできる物件は、ひどく割高になってしまう(女性、30代)」ので、「なかなか自分の希望に合ったものが見つからなかった(女性、30代)」、という声が多い。また、そのため、一般的な賃貸住宅を、「スロープが無かったので設置(男性、60代)」といった改造で補おうとしても、金銭的問題(「改造費用の補助が少なすぎる(女性、30代)」)という壁に直面する。また、入居時の業者の対応の問題(「不動産屋の時点で門前払いをくらった(男性、40代)」・「保証人の問題など特別な扱いをうけた(男性、50代)」等)なども多い。反面、大家の理解があり、金銭的な問題がなければ、既存の住宅を改造し、困っていることは「全くない(改造しているから)(女性、60代)」という意見もみられる。
- 視覚障害者(37/439件:重複を除く)・聴覚障害者(53/439件:重複を除く)では、居室のバリアフリーに加えて、入居や改造の際の情報の入手の困難さやコミュニケーションの問題(「相談する相手を選ぶのに困る(女性、60代、視覚障害)」・「悪徳リフォーム業者に危うくひっかかるところでした(女性、50代、聴覚障害)」・「新築に伴い、いろいろな交渉とか、相談などのコミュニケーションが大変でした(女性、50台、聴覚障害」等)を挙げる人が目立ち、さらに、「視覚障害者が一人ぐらしする時、かしてもらえない(女性、30代、視覚障害)」など、入居時の差別的対応も少なくない実情が伺われる。
- 知的障害者(19/439件:重複を除く)・発達障害者(17/439件:知的障害・精神障害との重複を含む)では、両親等との同居を前提として、「特に困った事ない(男性、20代、知的障害)」や「自分の家だし自分の部屋も有り困った事はない(男性、30代、知的障害)」とする記述と、「両親がいなくなったらどこに住むのか心配(男性、30代、知的障害)」とか「親と住んでいるしかないけど、ひとりぐらししたい(男性、10代、発達障害)」という訴えの両方がみられ、「親との同居」で顕在化しにくい潜在的な住居問題への対応の必要性を感じさせるところとなっている。また、同居家族のものとして、「家具等壊すので、新しくしても同じなので、そ
のままにしている(女性、20代、発達障害)」とか「隣への騒音です。まわりにわかってもらうしかないです。(男性、10代、知的障害・発達障害)」といった記述もみられることからは、住宅そのものというよりは、「同居」や「隣近所との関係」といった問題にも注目しなくてはならないだろう。
- 精神障害者(80/439件:重複除く)は、肢体不自由者に次いで記入数が多い。入居時の「精神病の人とは契約できないといわれ、抗議しても『家主がそう言っているから仕方がない』といわれた(男性、30代)」など、「借家について保証人や差別のない公的システムを早く構築してほしい(男性、40代)」という声が多くある。一方で、知的障害者・発達障害者に劣らず、「親と同居の自宅なので別にない(女性、50代)」・「私は親がしますのでわかりません(女性、50代)」・「親が居なくなったとき、今の家は広くて1人では住めないと思う。1人でも住める場所がほしいが、やっていけるか不安(男性、30代)」というように、「親との同居」
に関連して住宅問題をとらえる記述も多い。また、住宅そのものの構造等については、いわゆるバリアフリーというよりは、「狭い、音がつつぬけ(がとても気になる)(男性、20代)」、「外の音が聞こえて気になる(男性、40代)」といった訴えが目立つ。
- 内部障害者(42/439件:重複除く)においては、「段差をなくすこと(女性、60代)」、「自宅内手すりなどを自由につけられない(男性、60代)」など、住宅の一般的なバリアフリーに関するものが多いが、そのなかに「見た目ではわからないが、人工透析の後は体が重い。歩行困難な者には、公営住宅のエレベーターが有る所に、優先的に入居させて欲しい。(男性、50代)」や「トイレは25年前に、浣腸対応のため、瞬間湯沸し付きの洋式の専用のものを増設した。このような費用の補助制度の活用を広めてほしい。(男性、50代)」など、内部障害特有のニーズを訴える声がある。また、「風呂、トイレの改造をしたいが費用がない(男性、60代)」・「税金が高すぎる(女性、30代)」等の費用の問題に言及する記述も多く見られる。
- 難病者(19/439件:重複除く)では、「住んでいるマンションが古いので、バリアフリー化されていない。(男性、・20代)」や、「バリアフリー用に改築するのに、自己負担が多すぎて、したくてもできない人が多い(男性、40代)」など、他の障害とほぼ共通する訴えのなかに、「障害の進行度によって、器具等かえていかねばならない。(女性、50代)」や、「難病患者は、固定された障害ではないので、障害手帳の等級が低く、それにあわせた金額なので(住宅改造助成の)上限が低く、資金の確保が非常に困難。身体障害とは別に難病障害の制度を確立して頂きたいです。(女性、30代)」といった難病特有の問題への対処を求める声が混じる。
- 重複障害者(45/439件:知的障害・発達障害・精神障害の重複を除く)については、他の障害同様のバリアフリーに関する問題や費用の問題等のなかに、「お風呂が狭い。抱っこして入るが、身長は140㎝ぐらいあり、座ることもできないので、洗い場がギリギリの状態である。マンションに住んでいるので改造もむずかしい。今はまだいいが、これから先、器具等を使用しようと思っても、無理か…。保護者も高齢になってくると大変(女性、10代、肢体不自由・視覚障害・知的障害)」や、「子供の体が大きくなり、お風呂に困り、洗面所を小さくし
て浴槽を大きくした。気管切開をしている為、抱きかかえて2~3名介助が必要の為、洗い場がまた狭い。玄関に車椅子を入れるので狭い。(女性、20代、肢体不自由・知的障害・言語障害)」などの重度心身障害者の家族のものと見られる訴えが目に付いた。
○全体として、「困ったことへの対応」としては、「雨戸の開閉をシャッターに変更、戸棚が少なく不便だったので改造(女性、60代、視覚障害)」、「玄関出入り口の段差(階段)へリフトを設置した。(男性、60代、肢体不自由)」などの「ハード面の改造」が多くあげられている。「過去1年間で住宅の改造をした人」が、全体の15.9%(345/2191人)と多く(問19)、また、その際に「困ったこと」の筆頭として「改造資金の確保が困難(62/126人:49.2%)」があげられていること(問19-2)を併せ考えれば、住宅問題の「困ったこと」の有効な解決手段として「改造」があり、そのための二次的障壁となっている資金面を支援する施策が、まず求められているのではないだろうか。一方で、「あきらめた。(男性、30代、肢体不自由)」、「ある程度だきょうした。(男性、20代、肢体不自由」、「せまいがしんぼうしている。(女性、40代、肢体不自由・知的障害)」といった消極的解決も目に付き、また、「他の人に相談しました(女性、50代、視覚障害)」・「苦情を伝えた」(女性、40代、肢体不自由・言語障害)」等の対応が、必ずしも満足のいく結果をもたらしていない様子も伺われる。その意味からは、資金面の支援に加えて、コミュニケーション支援や情報保障を含めた広い意味でのエンパワメントや権利擁護のための支援活動や、不動産業界やリフォーム業界に対する積極的な啓発活動も必要となるといえよう。
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